パンドラの箱

(ここに「夢と挫折」について書いてください)



Netflix火花お題「夢と挫折」



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子供の頃、きっと誰しもそうだろうと思われるが、子供の頃には、無限の可能性を自分は秘めていると思っていたものです。
大人になれば、大人になりさえすれば、あらゆる種類の幸福が無条件に手に入るのだと。

だから、日々生きているのが楽しくて仕方なかったものでした。

夕方、学友と公園で遊びまわった帰り道、家々には三々五々、灯りが灯り始めて、夕食の支度をする匂いが漂ってくる。

そんなことで感動できる自分がそこにいたのです。

どの家からも、
しあわせという安らぎが
当たり前に薫っていたあの頃。

早く帰ろう。
早く帰ってしあわせだった今日の終わりを、家族と一緒に過ごすのだ。
お日様が、西に傾いて朱に染まった空を見上げて、また明日もしあわせな1日がやってくると

信じて疑わなかったあの日。









いまや、わたしには、
もう、安らげる我が家はありません。

永遠に続くはずだった
しあわせな日々は過ぎ去りました。

遠く
遥か遠く、

二度と再び帰らぬ空のように。



取り返しのつかない過去と

終末の近づいた世界で、

希望は

希望だけはまだ、

わたしの中に残り得ることができるのでしょうか?



開けてしまった

パンドラの箱のように。